痛風の病態や薬について ※薬は採用薬のみ今後追加予定【勉強用】(2021/03/09)
Q.痛風とは?
①尿酸の産生過剰②尿酸排泄の低下、又は両者の合併によって生じる。
※尿酸はプリン塩基(アデニン(A)、グアニン(G))分解の最終産物。
高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0mg/dL以上を言う。
急性痛風関節炎、痛風結節、腎障害、尿路結石の原因になる。加えて、動脈硬化性疾患の危険因子にもなる。
Q.治療薬
急性痛風関節炎➡コルヒチン、NSAIDs、経口ステロイドを用いる。
コルヒチンは痛風発作の特効薬であり、診断にも役立つ。
NSAIDsが使用できない場合、向こうの場合の多発性関節炎には経口ステロイドを投与。
無症候性高尿酸血症では、
①血清尿酸値が常時9.0mg/dL以上の場合
②8.0mg/dL以上で腎障害、尿路結石、高血圧などを合併している場合
上記2つの場合、薬物治療の適応になる。
治療中の血清尿酸値は6.0mg/dL以下に維持するのが望ましい。
<尿酸降下薬の分類>
①尿酸排泄促進薬 ※最も作用が強い ※尿アルカリ化薬を併用する。
●尿管からの尿酸再吸収抑制により、尿中への尿酸排泄を増加する。
②尿酸生成抑制薬
●キサンチンオキシダーゼを阻害し、尿酸生成を抑制する。
③尿酸分解酵素薬
●生成された尿酸を分解する。
<指導のポイント>
●尿酸排泄促進薬・生成抑制薬を服用中は、摂水量を多くしてもらう。
●血清尿酸値を6.0mg/dL以下にコントロールすることが重要なので、自覚症状がなくても規則正しく服用するよう指導。
【痛風発作治療薬】
◆コルヒチン()劇
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
肝臓又は腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の患者
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
適応:痛風発作の緩解及び予防➡1回0.5mg1日6~8回(適宜増減)
※発病予防➡1日0.5~1mg 発作予感時➡1回0.5mg
家族性地中海熱➡1回0.25mg 1~2回服用
特徴:痛風発作の特効薬。尿酸排泄作用なし。
【尿酸排泄促進薬】
◆プロベネシド(ベネシッド)
禁忌:腎臓結石症又は高度の腎障害のある患者
血液障害のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2歳未満の乳児
適応:痛風➡1日0.5~2g(2~8錠) 分割
維持量:1回2~4錠 2~4回投与(適宜増減)
◆ベンズブロマロン(ユリノーム)劇
警告:劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現し,死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので,投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず,定期的に肝機能検査を行うこと。また,患者の状態を十分観察し,肝機能検査値の異常,黄疸が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
食欲不振,悪心・嘔吐,全身倦怠感,腹痛,下痢,発熱,尿濃染,眼球結膜黄染等があらわれた場合には,本剤の服用を中止し,直ちに受診するよう患者に注意を行うこと。
禁忌:肝障害のある患者
腎結石を伴う患者,高度の腎機能障害のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
適応:痛風➡1日1回25mg or 50mg
維持量:1回50mg 1日1~3回(適宜増減)
高尿酸血症を伴う高血圧症➡1回50mg 1日1~3回(適宜増減)
【尿酸産生抑制薬】
◆アロプリノール(ザイロリック)
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量:1回100mg 2~3回 食後(適宜増減)
注意:投与初期に尿酸の移動により、痛風発作の一時的な増強をみることがある。[血中尿酸値を測定しながら投与し、治療初期1週間は1日100mg投与が望ましい。]
◆フェブキソスタット(フェブリク)※先発品のみ(2021/03/09現在)
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者
維持量:1日1回40mg(適宜増減)最大1日1回60mg
がん化学療法に伴う高尿酸血症➡1日1回60mg
注意:本剤の投与は1日1回10mgから開始し、投与開始から2週間以降に1日1回20mg、投与開始から6週間以降に1日1回40mg投与とするなど、徐々に増量すること。
◆トピロキスタット(トピロリック、ウリアデック)※先発品のみ(2021/03/09現在)
禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者
用法用量:1回20mg1日2回朝夕より開始
維持量:1回60mg1日2回 最大1回80mg1日2回