骨粗鬆症の病態や薬について ※薬は採用薬のみ今後追加予定【勉強用】(2021/03/08)
Q.骨粗鬆症とは?
骨は、CaとPの倉庫の役割をもち、加えて
●破骨細胞による骨吸収 血中のCa濃度↑
●骨芽細胞による骨形成 血中のCa濃度↓
という骨代謝回転を行っている。
骨代謝回転は30歳代まで均衡を保っているが、40歳代以降は骨吸収量に対し、骨形成量が少なくなることで、骨量が減少し、骨が折れやすくなる病態。
※特に女性は閉経後骨吸収が亢進して、骨粗鬆症を起こしやすい。
【ビスホスホネート】
<特徴>
●骨吸収抑制作用で骨密度増加。
<服用の仕方>
①毎朝起床時に水約180mLで服用。服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。(吸収を抑制する恐れがあるため。)
②口腔咽頭部に潰瘍を生じる可能性があるため、本剤を噛んだり又は口中で溶かしたりしないこと。
③就寝時に服用しないこと。
④月1回服用する薬剤の場合、本剤の服用を忘れた場合は気づいた日の翌日に1錠服用し、以後、その服用を基点とし、1カ月間隔で服用すること。
◆アレンドロン酸(フォサマック、ボナロン)劇
禁忌:食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者
30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない患者
本剤or他のビスホスホネート系に過敏症の既往歴
低カルシウム血症の患者
適応:骨粗鬆症
用法用量:1日1回5mg
1週1回35mg
◆リセドロン酸(ベネット、アクトネル)劇
禁忌:アレンドロン酸と同じ、と加えて
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
高度な腎障害のある患者
適応:骨粗鬆症
用法用量:1日1回2.5mg 用量注意!
1週1回17.5mg
1月1回75mg
◆ミノドロン酸(リカルボン、ボノテオ)劇
禁忌:リセドロン酸と同じ
適応:骨粗鬆症
用法用量:1日1回1mg
4週1回50mg
◆イバンドロン酸(ボンビバ)劇
禁忌:リセドロン酸と同じ
適応:骨粗鬆症
用法用量:1月1回100mg
服用後60分は横にならないこと。※他のビスホスホネート系と異なる。
【活性型ビタミンD3製剤】
◆アルファカルシドール(アルファロール、ワンアルファ)劇
禁忌:なし
適応:骨粗鬆症、慢性腎不全➡1日1回0.5~1.0μg(適宜)
ビタミンD代謝異常に伴う疾患➡️1日1回1.0〜4.0μg(適宜)
◆エルデカルシトール(エディロール)劇
禁忌:妊婦又は…
適応:骨粗鬆症
用法用量:1日1回0.75μg
※症状により1日1回0.5μgに減量
【イプリフラボン製剤】
◆イプリフラボン(オステン)
禁忌:なし
適応:骨粗鬆症における骨量減少の改善
用法用量:1日3回1回1錠(200mg)(適宜)
特徴:骨吸収抑制。エストロゲン様作用。
【SERM】
◆ラロキシフェン(エビスタ)
禁忌:深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者
長期不動状態の患者
抗リン脂質抗体症候群の患者
妊婦又は…
過敏症の既往歴
適応:閉経後骨粗鬆症
用法用量:1日1回60mg
◆バゼドキシフェン(ビビアント)
禁忌:深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症等の静脈血栓塞栓症のある患者又はその既往歴のある患者
長期不動状態の患者
抗リン脂質抗体症候群の患者
妊婦又は…
過敏症の既往歴
適応:閉経後骨粗鬆症
用法用量:1日1回20mg
特徴:ホルモン補充療法に伴う副作用を解消又は軽減
【その他】
◆デノタスチュアブル配合錠
※沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウムの配合錠
禁忌:高Ca血症の患者、過敏症
適応:RANKL阻害剤投与(デノスマブ)に伴う低カルシウム血症の治療及び予防。
用法用量:1日1回2錠(適宜)
注意:噛み砕くか、口中で溶かして服用。
【カルシウム製剤】
◆L-アスパラギン酸カルシウム(アスパラ-CA)
禁忌:高カルシウム血症の患者
腎結石のある患者
重篤な腎不全のある患者
適応:低カルシウム血症に起因する下記症候の改善
●テタニー、テタニー関連症状
下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給
●骨粗鬆症、骨軟化症
●発育期におけるカルシウム補給
●妊娠・授乳時におけるカルシウム補給
用法用量:1日2~3回 1回2錠(適宜)
【副甲状腺ホルモン】
◆テリパラチド(フォルテオ)冷所保管
禁忌:高カルシウム血症の患者
妊婦又…、過敏症の既往歴
次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者
●骨ページェット病
●原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す。
●小児等及び若年者で骨端線が閉じていない。
●過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者。
●原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある。
適応:骨折の危険性の高い骨粗鬆症
用法用量:1日1回20μg 皮下に注射。
※本剤の投与は24ヵ月間まで
特徴:骨形成を促進することで骨折リスクを低下。
注意:腎障害患者では定期的に腎機能検査。